まさEnglishのブログ

英検やTOEIC、英語全般などについて思うことを・・・

なんで英語やるの?

ずっと気になっていた中津 燎子著の「なんで英語やるの?」という本を読みました。

結構古い本で、初版の発売は1978年と40年以上前!でも今にも通じる内容がいっぱい書いてあります。

 

なんで英語やるの?の概要

世界に通用しないニッポン式英語発音の奇妙さに驚き、幼児の語学教育にとりくんだ著者の情熱あふれる体験記録。英語教育界に波紋を投げかけた話題の大宅賞受賞作

(Amazonから引用)

著者は3歳から父親の都合でロシア(当時はソ連)で生活し、日本語+ロシア語の生活を9年間したのち帰国、国連軍(占領軍)の特別電話台で交換手(海外からかかってきた電話を英語で取り次ぐようなものと思われる)として働き、当時女性が働くのは極めて珍しいことだったのにもかかわらず自身の英語を磨いていった。アメリカにも留学し、結婚後岩手に引っ越し、英語の発音塾を開き小学生から大学生まで幅広い生徒を指導した。その経験に基づいた体験記や日本の英語教育の問題点を述べている。本書は後にノンフィクション大賞を受賞している。

 

なんで英語やるの?の感想

描かれているのは4,50年前の日本。当時は発音の教育が学校でほとんどなされなかったようで、高校で英語が一番得意な生徒であっても、その生徒のスピーチを指導しようと中津氏が聞いたらさっぱりわからかったとのこと。

アスク、と聞こえたのがaskと思ってよくよく聞いてみたら、なんとour schoolだったとの体験記がつづられている。指導しているネイティブ講師にしても、アメリカ式発音と日本人の発音が違いすぎてさじを投げていいた状態だったそう(「所詮僕らネイティブ講師は人間テープレコーダーさ」)。

中津氏の英語塾での指導の中で感じた苦悩、苦闘、また当時の学生のジェネレーションギャップや通訳者、教師の適性などが書かれていて、とても面白かった。英語学習者、英語指導者はマストの本だ。

この本の時代から数十年経って、大分教育内容が変わってまともにはなっているものと思う(というかそう信じたい!)が、いやいや、いまだに変わらない部分もあるのではないかな、というところもあった。

とにかく発音が大事、本の中では言葉は使われていなかったが、現代でのフォニックスの重要性が強調されている。

 

なんで私は英語やるの?

そこで、そもそも自分は何で英語やるんだろう、と考えてみた。

もともと帰国子女で純日本人と比べエッジがあった、一度は脱落しかけたものの持ち直して得意科目になった、仕事で使う必要もあり高めていきたいと思ったから、というのが一つの答え。だが、自分の深いところにもう一つ理由がある。

アメリカに住んでいた幼少時代、英語が喋れなかった私は隣に住んでいる少し年上の子供に良くいじめられていた。自転車を取られたり、嫌がらせをされたり。そんな時、何も言い返せなかった私は、虚空を見つめながら、ああ、あの空間にドラえもんのび太がタイムマシンか何かでやってきて自分を助けてくれないものか、と思ったものだ。

大人になって、私はあのいじめられていた子を助けたいのだと思う。英語が喋れないことで不自由や嫌な思いをたくさんした、あの頃の自分自身に。それがもう一つの理由だ。

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